遙かなるイタリア
わが家はいま、唐突にイタリアブームである。
今年、まとまった休みがとれそうなので、イタリアに行ってみようか、という話になったのだ。
すんなり決まったわけではない。
妻はそれなりに海外旅行の経験があるが、ぼくは飛行機と外国人が怖いので、ほとんど海外に出たことがない。別に出なくてもいいや、と思っていた。
で、せっかくの休みに何をしようか、折角だからこういう機会でもないとやりそうにないことをしてみようかと考えたのだが。
* 断食道場
* わが家のペンキを全部塗り直す
* 「資本論」読破
* 不眠不休連続しりとり合戦目指せギネス
* お遍路さん
* 布団から出ないで何日過ごせるか試してみる
* ひげを剃らないとどうなるか試してみる
とアイデアを並べているうちに、なんとか休みが消えてなくならないかな、と考えだしたので、これはいけない、と方向転換することにしたのだ。
旅行先としてイタリアを選んだのはぼくだ。理由はいくつかある。学生時代にイタリア旅行の経験がある妻によると、
・食い物がやたらと美味いという噂
どこで何食ってもうまいという。特にイタリアのオレンジジュースの味が今も忘れられないそうだ。
・英語があんまり通じないらしい
ぼくはどうせ英語が話せないのだから問題ない(問題はあるのだけれどそれ以上はひどくならない)。むしろ、英語が話せて当たり前みたいな顔をされるより面白そうだ。
・いい国らしい
聞きかじりの情報を総合すると、町の商店は12持くらいに閉まってしまい、ゆっくりと飯を食って、昼寝して、3時過ぎからまたちょっと仕事して、7時過ぎると帰ってしまい、また3時間くらいかけてゆっくり飯を食って、寝ちゃうらしい。本当ならイタリア人は朝飯を入れずに一日6時間くらい飯を食っている計算だ。いい国に違いない。
というわけで、いま忙しい。
旅程を練ったり、随分前に切れたパスポートの手配をしたり、町の地図を手に入れたり、ホテルを確認したり、観光スポットの情報を入手したり、美味い店を探したり、イタリア語の勉強をしたり(主に妻が)、パスタを食ったりしている(主にぼくが)。
ただ、若干気になることもある。
ぼくはイタリアの歴史や文化的背景について何も知らない。
ローマ帝国のことも、ルネッサンスのことも知らないし、芸術に関する造詣もない。
メディチ家とかチェザーレ・ボルジアとか聞いたことはあるけれど、何をした人(?)なんだかわかってない。
バチカンにはローマ法王も有らせられるというのに、キリスト教のことを知らない。カトリックとプロテスタントの違いもよくわかっていない。
芸術作品にもキリスト教に題材をとったものが多いと聞くが、元ネタを知らない。
なんで長靴の形をしているのか、どうして傾いた建築物を自慢しているのかも知らない。
これではイタリアに失礼なのではないだろうか。
日本に来た海外の旅行者が「ワタシ、スシ食いにキマシター HAHAHA!」とのたまったら、ぼくだってちょっとムッっとしはすまいか。
ひとの国を訪れる以上、その国のことについて最低限のことは知っておきたい。
しかし、どこから始めたものだろうか。
やっぱり、最初からだな。
最初っていうと、えーとえーと。
というわけで、旧約聖書から読み始めた。
神様が「光あれ!」というところからだ。
ちゃんと読んだことはなかったので、なかなか興味深い。
こないだモーセがエジプトを脱出した。
飛行機が飛ぶまでに、間に合うんだろうか?
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